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2016年1月22日金曜日

図書館史文献・近刊情報

事務局2号です。

近代図書館史に関して、以下の本が刊行されるそうです。要注目です。

図書館をめぐる日中の近代 友好と対立のはざまで
著者:小黒 浩司(著)
発行:青弓社 
A5判 上製
定価3,600円+税
ISBN978-4-7872-0059-4   C0000 NDC分類010
発売予定日 2016年3月15日

以下のサイトの情報によります。
http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784787200594


2012年9月29日土曜日

第153回Ku-librarians勉強会報告

事務局2号です。

既報の通り、9月13日、第153回Ku-librarians勉強会で「図書館史の勉強から見えてきたこと」と題してお話しさせていただきました。

勉強会ページはこちら(togetterもあります)

簡単ですが、その要旨を掲げ、勉強会報告とさせていただきます。「関西文脈の会について」「なぜいま「図書館史」なのか」「見えてきたこと」の三つを中心に構成しました。

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発表概要


1.関西文脈の会について
 関西文脈の会について、名称の由来、設立経緯などをお話しさせていただいた。文脈の会は、2009年の夏に東京本館で、NDL職員、OB、公共・大学図書館の職員、大学の先生方を集めてスタートしたこと、「文脈」の名称はLibrary in contextというコンセプトから付けられた名前です。「マニアックな歴史事項を取り上げてのトリビアリズムに陥らず、図書館が置かれてきたコンテクストを見失わないようにしたいですね」という話から付けられたものであることを紹介した。関西では2010年から、2か月に1度、勉強会をやっており、テキストには、石井敦先生の『図書館を育てた人々』日本編1を使っているほか、自由論題による発表を合わせて開催している。

2.なぜいま「図書館史」なのか?
 図書館史の勉強について、図書館関係者だけではなくて、むしろ歴史学や思想、文学の研究者、あるいはもっと広い意味でのユーザーに、図書館の歴史を語りたいと考えていることを述べた。というのは、図書館史の論文や本を読み始めてみるうちに、あまり意識してこなかったものの、日本近代の思想史にとって図書館は大事だという印象を持つようになり、これはもったいないことであると思うようになったことが大きい。自分が図書館にいることを活かす意味でも、日本史の研究者に向けて図書館史を発信して行くようにすれば、図書館と日本史研究者を繋げることができ、それが自分の強みになるのではないかと考えた。
 また、発表者は小野則秋の『日本文庫史』に「国民的教養としての文庫史」とあるのを読んでから、図書館史って誰のものなんだろうかと思うようになったことを紹介した。図書館は図書館員のためのものなのか、それだけではない。図書館に関わるユーザのものであろう。いや、たんにユーザだけではたりない。広い意味での広報―public rerationsとしての―図書館のPRということを念頭に置くならば、あらゆるステークホルダーに向けて、図書館とはこういう来歴があって、こういうことをしているんですよと丁寧に説明していく努力が今こそ必要で、そのために図書館史の知識が必要なのではないかと述べた。

3.見えてきたこと
 最近、図書館史の研究は活況を呈しつつあるかに見える。館種別の議論が公共中心から、だんだん豊富になってきたこと、図書館人個人に光を当てる研究が増えていることなども奥泉和久先生や三浦太郎先生の論文で指摘されている。だが他方で、教科書の規範となるような歴史の枠組みが形成された時期の図書館像と、今の図書館像がズレてきている面もある。発表者を含む若手図書館員の間では、ちょっと前まで確固として存在していた「べき論」を共有できなくなっている。しかもそれは私たちの勉強不足のせいばかりとはいえず、周りの環境がそれを許さなくなってきているところが大きい。

 むしろ、これから図書館史に向かうにあたっては、あるべき姿ではなく、見通しが立たないからこそ、かつて色々な形での模索があったことを知り、武器としての図書館史を学んでいく必要があるのではないか。その上で大きなヒントになるのは、地域の視点ではないかと考えている。
 とくに関西は図書館の歴史の宝庫である。明治時代、日本初の公共図書館で、今の京都府立図書館の源流とされる集書院の存在があった。また、日図協と対をなす存在として京大中心に結成された関西文庫協会があり、あるいは昭和初期には、日本図書館研究会の源流となった青年図書館員聯盟の結成があり、戦後も、神戸市立を中心にしたレファレンス・サービスの理論化があり、そして阪神淡路大震災の後の震災文庫の取り組み、近年でも京大の電子図書館開発、府県立では大阪府立中之島のビジネス支援サービス、奈良県立図書情報館の各種イベントなど、色々な取り組みが続けられている。

 何故、これほど関西で活発な図書館活動が続けられたのか。それを見ていくと、東京(関東)で出来ないことを「関西」でやってやる、という強い意志のようなものが一貫して感じられる。京大が出来た時、初代総長の木下広次は、東京の帝国図書館一個だけではだめなので、京大の図書館を広く一般にも公開して、西日本の中心にする、歴史や宗教の典籍はむしろ京都の方が東京よりも豊富だから、西にも図書館が必要だと論じていた(ただし、一般公開は実現しなかった)。以上のことは、まだ印象にとどまり、実証には届いていないが、このことは、日本の図書館が横並びで実は一つのサービスに重点的に取り組むのではなくて、むしろ、それぞれの図書館が例えば地域的に東西に分かれたところでそれぞれの個性を発揮することで発展してきたことを示唆する。自館が図書館・地域・社会全体のなかでどういう機能を担うかに目を向けることで、これからの展望が開けるかもしれないと云うことが、図書館史の勉強を初めて今までやってきて、ようやく見えてきたことになる。今後は、例えば地域の図書館運動を担って来て、今は退職されて第一線を引かれた方への聞き取りなどもやってみたいと考えている。

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なお、本発表終了後、発表者が業務で担当した図書館史の展示会について
『カレントアウェアネス-E』に下記記事を発表させていただいたので
(物凄い手前みそですが…)関連記事として紹介させていただきます。

E1343 - 記念展示会「関西の図書館100年,関西館の10年」を企画して
カレントアウェアネス-E
No.223 2012.09.27

2012年4月20日金曜日

日本の図書館史研究の「いま」がわかる論文

またまた事務局2号です。連投すみません。

明治大学の三浦太郎先生のご論文「日本図書館史研究の特質 ―最近10年間の文献整理とその検討を通じて―」『明治大学図書館情報学研究会紀要』N0.3(2012)が発行され、明治大学の機関リポジトリで閲覧可能になっています。


近年の日本の図書館史研究に顕著な特色として、
  1. 図書館史研究を方法論的に問い直す試み
  2. 戦後日本の図書館に対する歴史的評価
  3. 人物への注目
の3点が指摘され、それぞれの観点から文献が紹介されています。

また、

「米国など海外における研究手法に学び、プリント・カルチャーや読書史をはじめとする周辺領域の視座、研究成果を横断的に活用することは、今後ますます、日本図書館史の研究においても重要視されるようになると思われる」と指摘されています。

三浦先生にはすでに2008年の時点で、『カレント・アウェアネス』に「図書館史」の文献レビューを発表されていますが、今回のご論文では、その後刊行・発表された研究成果を踏まえて、現時点での図書館史の研究文献がわかります。

戦前期「外地」で活躍した図書館員の研究報告書

事務局2号です。
 京都ノートルダム女子大学の岡村敬二先生による科学研究費補助金研究成果報告書「戦前期「外地」で活動した図書館員に関する総合的研究」(研究課題番号:21500241)が刊行されました。2号宛に一冊いただきましたので、感謝を込めて目次をご紹介します。
 論文はもちろんのこと、とにもかくにも、巻末の人名リストが圧巻です。

 本研究の研究概要はこちらに掲載されています。
 またすでにこちらなどで、「快挙!」の声も聞かれています

はじめに―研究の目的と研究経費

Ⅰ.研究成果の概要

Ⅱ.研究成果

 論文
  1.  “戦前”で終わっていた父橋本八五郎の人生(橋本健午)
  2.  佐竹義継の事跡(佐竹朋子)
  3.  尾道市立図書館の高橋勝次郎(よねい・かついちろう)
  4.  満鉄図書館時代の大佐三四五(鞆谷純一)
 資料紹介・訪書記
  1.  衛藤利夫「本を盗まれた話」再録にあたって(岡村敬二)
  2.  「本を盗まれた話」再録(衛藤利夫)
  3.  秋田県立図書館訪書(岡村敬二)
  4.  内藤湖南生誕の地毛馬内を訪ねて 付載 大阪府立図書館展覧会の歴史 図書館ものがたり その1(岡村敬二)
  5.  岩手県立図書館訪書記(岡村敬二)
 人名リスト
  •   戦前期「外地」活動の図書館員リスト(岡村敬二)

2011年8月2日火曜日

新たな図書館・図書館史研究

日本の図書館史ではなく、米国の公共図書館史に関するものですが、目次をご紹介しておきます。
(とりあえず、章レベルで。時間ができたら、節まで入れます。特に第I部は節まで入れないと、あまり意味がないので…。/8月3日追記:第1章、第2章の節レベルを追記しました。/8月7日追記:3章以降、残りの節レベルを追記しました。)

川崎良孝・吉田右子『新たな図書館・図書館史研究 批判的図書館史研究を中心にして』
京都図書館情報学研究会(発売:日本図書館協会), 2011.9. xxii,402p.

  • はじめに
  • 第I部 図書館史研究の歴史的展開
    • 第1章 第1世代の図書館史記述:単館史、記念誌の時代
      • 1節 ジョサイア・クウィンジーの図書館史記述:単館史、記念誌の源
      • 2節 ホーレス・スカダーと1876年『特別報告』:単館史の寄せ集め
      • 3節 ジョシュア・W.ウェルマン:客観的図書館史記述からの離脱
      • 4節 モウゼズ・C.タイラー:非歴史的な図書館史記述
      • 5節 ウィリアム・I.フレッチャー:第2世代の図書館史研究への架け橋
    • 第2章 第2世代の図書館史記述:革新主義図書館史学
      • 1節 シカゴ学派の図書館史への取り組み
      • 2節 ジェシー・H.シェラと図書館史の業績
      • 3節 ジェシー・H.シェラ『パブリック・ライブラリーの成立』:社会的要因理論
      • 4節 ジェシー・H.シェラ『パブリック・ライブラリーの成立』の背景
      • 5節 シドニー・ディツィオンと図書館史の業績
      • 6節 シドニー・ディツィオン『民主主義と図書館』:民主主義的伝統理論
      • 7節 シドニー・ディツィオン『民主主義と図書館』の背景
    • 第3章 第3世代の図書館史記述:修正解釈派の図書館史解釈
      • 1節 第2世代の図書館史解釈とその問題点
      • 2節 マイケル・H.ハリスと図書館史研究I:文化史研究とビブリオグラフィー編纂
      • 3節 マイケル・H.ハリスと図書館史研究II:修正解釈
      • 4節 マイケル・H.ハリスの図書館史研究の背景
      • 5節 マイケル・H.ハリスの図書館史解釈:ボストン公共図書館設立の思想
      • 6節 ディー・ギャリソンと図書館史の業績
      • 7節 ディー・ギャリソン『文化の使徒』:女性化理論
      • 8節 ギャリソンの図書館史研究:意義と限界
    • 第4章 第4世代の図書館史記述:研究の広がりと深まり
      • 1節 第2世代と第3世代の図書館史研究:意義と問題点
      • 2節 第4世代(1985年-)の図書館史記述:背景
      • 3節 第4世代(1985年-)の図書館史記述:特徴
      • 4節 第4世代の図書館史研究:新しい業績と方向
  • 第II部 図書館史研究の現状
    • 第5章 ウェイン・A.ウィーガンドと図書館史研究:第4世代の牽引者
      • 1節 はじめに
      • 2節 研究の視点と方法
      • 3節 ウィーガンドと図書館史の業績
      • 4節 ウィーガンドと図書館史研究
    • 第6章 クリスティン・ポーリーと図書館史研究:プリント・カルチャー史の研究
      • 1節 はじめに:ポーリーと研究業績
      • 2節 プリント・カルチャー/公立図書館の歴史研究
      • 3節 歴史研究の方法論
      • 4節 図書館情報学の批判的研究
      • 5節 おわりに
    • 第7章 アビゲイル・ヴァンスリックと図書館史研究:場の批判的考察
      • 1節 はじめに
      • 2節 ヴァンスリックと研究業績
      • 3節 従来の図書館史建築史とカーネギー図書館の研究
      • 4節 ヴァンスリックと図書館史研究
      • 5節 おわりに
    • 第8章 公立図書館史研究におけるジェンダー:周縁文化への着眼
      • 1節 はじめに
      • 2節 図書館における女性をめぐる議論の史的枠組み:レビュー論文を手掛かりにして
      • 3節 図書館女性研究の主要著作
      • 4節 図書館史女性史研究の2つの系譜
      • 5節 批判的ジェンダー研究の視座
      • 6節 批判的ジェンダー研究の成果:図書館実践をめぐる論点に着目して
      • 7節 おわりに:批判的ジェンダー研究と批判的公立図書館史研究
    • 第9章 公立図書館史研究における黒人:人種隔離を中心として
      • 1節 はじめに
      • 2節 黒人と公立図書館:1960年まで
      • 3節 公立図書館での隔離撤廃と黒人の主張の時代:1960-1970年代
      • 4節 図書館史研究における黒人:1970年代以降
      • 5節 おわりに
  • あとがき
  • 索引
  • 京都図書館情報学研究会と刊行物

2011年7月31日日曜日

終戦時新京 蔵書の行方

間が空いてしまいましたが、図書館史関連資料の紹介です。

『資料展示図録 終戦時新京 蔵書の行方』(京都: 京都ノートルダム女子大学人間文化研究科人間文化専攻, 2011.3)は、京都ノートルダム女子大学人間文化研究科人間文化先行主催(展示企画:岡村敬二)の展示会の図録です。開催期間は平成23年3月29日から4月12日、会場は京都ノートルダム女子大学学術情報センター前渡り廊下とのこと。

目次は次のとおりです。

  • はじめに
  • I 新京という町
    • 長春の町の歴史
    • 寛城子とロシア
    • 満鉄附属地
    • 商埠地の形成と城内
    • 満洲国の成立と国都新京
  • II 新京の文化機関
    • 大学
    • 博物館
    • 図書館
    • 新聞社
    • 出版
    • その他
  • III 焼かれた蔵書 北小路健の場合
    • 出版統制と満洲出版文化研究所
    • 北小路健の履歴
    • 渡満と教員生活
    • 東京帰還と再渡満
    • 終戦と焼かれた蔵書
    • 長春で暮らす
  • IV 蔵書を残す 「文化財処理委員会」
    • 杉村勇造の終戦
    • 「文化財処理委員会」とそのメンバー
    • 収集と展観
    • 「文化財処理委員会」の活動
  • 後記・図版一覧

2011年6月30日木曜日

第16回MULU定例茶話会「宮城の図書館のルーツを学ぶ:青柳文庫ビブリヲバトル」参加記

事務局2号です。
6月27日から2日間、saveMLAKボランティアとして東北学院大学の書庫復旧作業に参加してきました。27日の晩は、MULU(Michinoku University Library Union)の定例茶話会にて、公共図書館の源流とされる「青柳文庫(あおやぎぶんこ)」が取り上げられるという情報を聞きつけ、東北大学の吉植さんのご厚意により、茶話会にお邪魔させていただきました。

東北学院大学ボランティア作業についてはこちら
MULUの活動についてはこちらをご参照ください。

リンク先のブログにもありますとおり、MULUは、大学と銘打っていますが、大学図書館に限らず、東北6県の図書館員を中心とした顔が見えるコミュニケーションの活性化をはかるための集まりだそうです。今回は、震災後初の本格的な茶話会とのことで、「異例の大人数」との声も参加者から聞こえるほどの盛会でした。
青柳文庫について発表されたのは、今年4月に採用された東北大の新人図書館員の大友さんと小林さんで、お二方とも卒業論文で「青柳文庫」のことを研究されたとのことです。

青柳文庫とは、仙台の商人青柳文蔵が、仙台藩に寄贈した蔵書約2万冊からなる文庫で、庶民への貸出・閲覧も行っており、公開図書館の源流にあたるものとされています。
小林さんのご発表では、青柳文庫目録の蔵書にNDCを付与して分類し、同じく仙台藩の養賢堂文庫との比較を通じて、現代公共図書館の蔵書構成との類似点を指摘するといった意欲的な試みがあり、また、大友さんのご発表では、青柳文庫を実際に利用していた仙台藩士の日誌を読み説かれた卒業研究の成果を踏まえて、近世期における書物研究(貸本屋・読者論・出版研究・蔵書構成論)の観点から、研究文献の整理・紹介がなされました。

冒頭、事務局から、昨今報道されている移管問題の是非を議論するのではなく、図書館で「学ぶ」ことの象徴として青柳文庫を取り上げ、ルーツを探ることで会の再出発を図るとの趣旨説明がありましたが、お二人の発表は、歴史学と図書館情報学と、それぞれのアプローチから青柳文庫の特質に迫るもので、趣旨に相応しい充実したご発表だと感じました。また発表終了後には、宮城県図書館の熊谷さんから、蔵書の特色について補足のコメントがありました。蔵書の多くは明治維新の際に散逸してしまったそうですが、蔵書印のなかには「角を折らない、背を丸めない、墨で汚さない…」等々利用のマナーを述べたユニークなもの存在するとのことです。

質疑応答では、フロアから、図書館史上の位置づけや、利用実態についての質問のほか、青柳文庫について長く研究をつづけられている早坂信子氏から、文庫を形成した青柳文蔵が江戸で学んだのは朱子学ではなく折衷学派の学問であり、そうした学問上の特徴を反映して青柳文庫には硬い本だけでなく柔らかい本が多いというコメントがありました。

公共図書館の源流に何を位置づけるかについては、論者の図書館の定義によって偏差がありますが、青柳文庫の活動実態が実証的に明らかになればなるほど、同文庫の先駆的な点や、興味深い論点が浮かび上がってくるように感じられました。

終了後に行われた懇親会では、関西文脈の会と合同で企画を立てられないかとのご提案もいただいたので、前向きに検討していきたいと思っています。

2011年5月28日土曜日

twitterの試験運用はじめました

事務局2号です。
関西文脈の会のお知らせと、図書館史に関する情報をできるだけ早くお届けするために
twitterのアカウントを作成してみました。
しばらく試行錯誤しながらの運用となりますが、
ご関心のある方にfollowいただけるとたいへんありがたいです。


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どうぞよろしくお願いいたします。

2011年3月6日日曜日

日本図書館協会出版物特別セール2011

既にお気付きの方も多いと思いますが、日本図書館協会が出版物特別セール2011を開催中です(2011年3月1日(火)〜2011年5月27日(金))。

http://www.jla.or.jp/bargain2011/index.html

当勉強会で採り上げている『図書館を育てた人々 日本編 1』も特価となっています。
その他、「個人別図書館論選集」の中田邦造、衛藤利夫、佐野友三郎など、図書館史関連の資料がリストに掲載されています。

2011年2月27日日曜日

満鉄図書館史

今さらかもしれませんが、村上美代治『満鉄図書館史』(村上美代治, 2010)について、ようやく入手しましたので、簡単にご紹介します。
全体は、前著『歴史のなかの満鉄図書館』(同, 1999)を基礎に南満洲鉄道株式会社(満鉄)が設置した図書館の通史を描く第I部と、職員や図書館活動などを切り口に満鉄図書館の活動の特異性を分析する第II部、そして年表などからなる巻末資料、参考文献から構成されています。xi, 298頁。ソフトカバー。
章レベルの目次は次の通りです。
  • はしがき
  • 目次
  • 第I部 満鉄図書館史
    • 第1章 満鉄の誕生と図書館の設置(1907〜1914年)
    • 第2章 満鉄図書館の確立と発展(1915〜1937年)
    • 第3章 附属地行政権移譲後の満鉄図書館(1938〜1945年) 
  •  第II部 図書館活動からみた満鉄図書館
    • 第4章 図書館活動を支えた職員
    • 第5章 協力事業にみる図書館活動
    • 第6章 図書館報による弘報活動
    • 第7章 日本図書館協会への結集と満洲図書館協会の設立
    • 第8章 満鉄図書館体制の確立と内地図書館界の影響
    • 第9章 建物から見た満鉄図書館活動
  • 巻末資料
  • 参考文献
  • あとがき

2011年2月22日火曜日

「浮かび上がる検閲の実態」

事務局2号です。
週末に千代田図書館で行われている以下の展示を見てきました。

「浮かび上がる検閲の実態」
会期:2011年1月24日~3月26日
会場:千代田区立千代田図書館9階展示ウォール
 関連で講演イベントなども企画されています。詳細はこちら

戦前期の日本では、出版物は内務省に届け出る納本制度が存在し、内容の検閲が行われていました。とくに戦前期の納本制度の運用については、関東大震災で関係の史料が大量に焼失したことによって、実態がいまひとつ掴めない部分が多くあります。

戦前は、出版法(明治26年 4月14日法律第15号 ※昭和9年に一部改正)によれば「文書図画を出版するときは発行の日より到達すべき日を除き三日前までに製本二部を内務省に届出べし」(第3条)義務付けられていました。

余談ですが、同法で、発行者と印刷者の氏名住所及び発行・印刷の年月日を文書図画の「末尾」に記載するよう定められたので、たいていの明治30年以降~昭和初期の本は、奥付を見ると印刷日と発行日が三日ずれています。


さて、内務省に納本された図書は、そのうち1部が帝国図書館に交付されて蔵書構築の一部を担っていたのですが、もう一冊は内務省の書庫に保管され、関東大震災とともに焼失したとされています。関東大震災後は、内務省のもとで検閲の作業が終わった本が、東京の市立図書館に委託されるようになっていました。

本展示のチラシによれば、おおよそ昭和12年頃から、このような運用が始まっていたようです。これらは「内務省委託本」と呼ばれ、千代田図書館では約2,300冊の資料が確認されているとのことです。

また戦前は、安寧秩序を妨害する、あるいは風俗を壊乱すると認められる文書図画は、内務大臣の権限に於いて発売を禁止し、印刷物を差し押さえることができましたので(同法第19条)、内務省の検閲官がどういう理由で発売禁止にしたかを今回の展示では知ることができます。

医学書に裸体図をどの程度載せてよいか、良くも悪くも役所の仕事ですから、上司に判断を仰ぐ際の理由付けは自ずと詳細になり、かなり微妙な判断基準が、扉に書かれたおびただしい文字のなかに浮かんできます。

また、新聞紙は別の法律の規制を受けていましたが、図書と違い、事前に届け出ることはできず、発行日に回収するしかないため、東京府内ではどのルートでどこの駅で差し押さえるか、事細かに記した文書もあり興味をそそられました。

訪問時には展示資料リストが見当たらず、(よく考えたらカウンターに聞けばよかったのですが…)惜しいなあという思いをしたのですが、検閲について調べるためのパスファインダなどが整備されていて、これだけでも興味深いものとなっています。

配布されていた案内チラシによれば、千代田図書館では現在、調査研究の利便性向上のため、資料集(解説付き目録)の発行準備を進めている(!!)とのことですので、期待して待ちましょう。


*****
<付記>
かくして、検閲用に使われなかった本が帝国図書館に入ってきていたわけですが
発売、公開されてしまった後に改めて発売禁止が決まった本の行方はどうなったのか。
これについては最新の『参考書誌研究』第73号(2010.11)に関連する記事があります。

受入後に発禁となり閲覧制限された図書に関する調査
―戦前の出版法制下の旧帝国図書館における例―

2011年2月14日月曜日

学校図書館史の研究動向

事務局2号です。

『学校図書館』通巻723号(2011.1)に、以下の記事が掲載されています。


今井福司「最近10年間における学校図書館史研究の展望」p36-38,45-47


関西文脈の会では、これまで公共図書館や大学図書館を取り上げることが多かったのですが、同論文では、全国学校図書館協議会による『学校図書館五〇年史』(2004)をはじめとして、制度史・実践史・理論史・オーラルヒストリーの観点から、かなり細かい個々の事例まで網羅した文献紹介をされていますので、占領期の教育改革や、戦後の展開などを考える際に、貴重だと思います。

2010年11月26日金曜日

紙片が宝に変わる瞬間(とき)を目撃してきた~全史料協テーマ研究会参加記

事務局2号です。
平成22年11月24日(水)~25日(木)京都府民総合交流プラザで行われた「全国歴史資料保存利用機関連絡協議会」(全史料協)の二日目に参加してきました。

全史料協京都大会のページはこちら

今回の全史料協では、同志社大学企画部の井上真琴氏がテーマ研究会のなかで「目撃せよ!紙片が宝に変わる瞬間(とき)―図書館員のアーカイブ資料探検―」と題して同氏が同大学所蔵の竹林熊彦(および田中稲城)の史料整理をされた経験をもとに非常に興味深いお話をされており、また図書館史のなかでも非常に重要な内容だったため、本ブログに参加記という形で内容を簡単にご紹介させていただきます。

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井上氏はまず、同志社大学には田中稲城、竹林熊彦、さらに同志社図書館学講習所の関係文書等が未整理のまま保存されており、かつては図書館史研究者の求めに応じて必要な資料を探して提供していたが、その整理は課題としてずっと残っていたと紹介した。またその理由として、記録資料と出版物整理の「文節化」の違いが大きかったと指摘した。

すなわち、出所・原秩序尊重・原型保存・記録といった記録資料整理の四原則は図書館資料の整理とは全く異なるものであり、また目録記述の考え方も異なっていて、図書館員の側に、記録資料を扱うノウハウが未成熟だったことに大きな問題があるというわけである。

そこで井上氏は国内大学アーカイブズ、さらに米国・英国の大学アーカイブズを視察し、研修を受講した。とくに海外のアーカイブズでは、社会科教員の教材作成にアーカイブズ資料がどのように活用できるか、専門のアーキビズトがつきっきりで相談に応じる場を目撃し、非常に大きな衝撃を受けたという。

以上のような経験を踏まえて、同志社に残る文書を整理するためにどのような方法を考えたか。職員が手のあいた時間で整理しきれるレベルではない。そこで採用したのが、業務委託とコンサルタントの活用である。業務委託するのは、いつまでに終わらせるかを明確にするため。業務委託である以上、綿密な仕様書の作成と工程表の管理が必須となる。図書整理の外注業者は複数存在するが、アーカイブズの整理が出来る外注業者は存在しない。そこで、記録資料整理に専門的知識を有するコンサルタント(国際資料研究所の小川千代子氏に依頼)を組み合わせることで、この課題をクリアしようと試みた。業務途中で作成される往復のFAX等はすべて記録として残し、マニュアル化に役立てた。

資料は記録資料整理の原則に沿って階層化することにした。また保管にあたってはドキュメントボックスを用い、一点一点をフォルダに入れて管理した。井上氏はこれに加えて、この過程で、初期の『東京大学史紀要』等に載せられた論文・インタビュー記事が非常に役立ったこと。大学史編纂の苦闘記から、多くの事を学んだことを述べられた。

作業にあたり注意した点は、以下の通りである。
①まず対象資料に対する基本的な知識を習得すること。ただしその際、周辺知識の深化は避ける(いつまで調べても終わらないから)ことも心掛けた。
②散逸を防ぎ存在を告知する形でInitial inventory(初期目録)をきちんと作成することとした。
③さらに利用を意識した整理を行うこと(目録情報には翻刻もつけられるものはつけたとのこと)
④個人情報の扱いについて。これは今も名案はない。80年以上前に亡くなった田中稲城に関してはプライバシーの問題は少ないと思われたが、『図書館雑誌』に活動紹介を載せ、公開に先立ってもし問題がある場合には下記あてに連絡を、と呼びかけることにした。
⑤利用リテラシーに関する啓発活動を行うこと。アーカイブズ利用に関しては一定のリテラシーが必要とされることは明らかなので、その啓発にも取り組んだ。

こうしたアーカイブズ・リテラシーの啓発は、なお解決途上の課題でもある。ディジタル化し公開されたデータベース(ディジタルアーカイブ)は、必ずしも記録資料整理の原則にのっとった形で公開されていない(作業を担当した研究者が自らの基準で構築していることもある)ので、どういうときに何を見ればいいか、十分に伝えられていない。たとえば作業担当者は、岩波日本思想大系別巻の近代史料解説を見ながら、刊行図書の年譜記述の誤りを発見するなどして、具体的な検索方法を知り、公文書の扱いに習熟して行った。

ただ、同志社には図書館のほかに社史編纂のセクションもある。井上氏は、教養科目の講義のなかでディジタルアーカイブの適用も試みる事例を紹介しつつ、まだうまくいっているとは言い難いとし、こうしたなかで少なくとも大学内の「内なる」MLA連携をどうすればいいかを模索している段階だと述べて、報告を終えた。

質疑応答では以下のようなやりとりがあった。
Q:点数及び作業担当者、作業日数はいかほどか。採用にあたり特別な条件を課したか。
A:対象資料は約3000点(うち1600点が田中稲城関係)。実際の作業担当者は、歴史に一定の知識を有する者で、月~金、9:00~17:00で2年間働くことが出来るものを1名採用し、作業にあたった。
Q:実際に整理を終えて図書館内からの評価はどうか。厳しい意見などもあるか。
A:レファレンスが大変になったという消極的な意見もあるが、かなり難しいアーカイブズ資料が、ほぼ素人の図書館員でも出来た。ずっと未整理だったものがきれいに見られるようになったことに対する肯定的な意見が多い。ディジタルアーカイブ化することで、家で下調べしてから見に行くことができると利用者からの反応もよい。
Q:作業者はどこまで担当したのか。歴史系の学生を採用したとのことだが、システム的な知識も必要となるのではないか。
A:作業者は資料の掃除、袋詰めから、エクセルのデータ項目表に記述し、csvファイルを出力するところまでやった。今の若い人なら、この程度のエクセルの作業は難なくこなせる。
Q:予算措置などかなり難しい面もあったのではないか。
A:これは長期的な計画でやったこと。図書館員にはこの手の交渉が苦手な人が多いが、極端な話、2人で1年1000万円つけろというのを1人で2年、500万円ずつ、といえば説明がしやすくなる。当初10年くらい提案し続けて重要性を説く必要があるとも思っていた。大事ならば辛抱強く、実現に向けた戦略を立てねばならないのではないか。
Q:同志社の組織アーカイブズはどうするか、もし現時点で図書館の側からのお考えがあれば。また図書館の立場からアーカイブズへの注文があればぜひお聞きしたい。
A:一点目は非常に大きな問題だが、大学内で組織全体を巻き込む形で文書の保存年限を決めるリテンション(保存期間)・スケジュールを作成する必要があると認識している。ただ、全体で急には難しければ、まずは図書館からということで始めたい。また2点目については、報告内で指摘したアーカイブズ・リテラシーの啓発の問題と関わるが、どこに何があるかがわかるのが重要。図書館でいうところの総合目録の構築などが必要なのではないか。

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参考文献(2010/11/27追記)

  • 井上真琴,小川千代子「アーカイブ資料整理へのひとつの試み : 同志社大学所蔵田中稲城文書・竹林熊彦文書の場合」『大学図書館研究』no.77(2006.8)p.1-11
  • 井上真琴,大野愛耶,熊野絢子「公開なった田中稲城文書(同志社大学所蔵)--日本近代図書館成立期の「証言者」たる資料群」『図書館雑誌』99(3)(2005.3)p.170-171
  • 井上氏が紹介されていた同志社大学学術リポジトリ・竹林文庫のディジタルアーカイブはこちら


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井上氏の報告はパワーポイントで実際の史料スライドを交えながらの非常に興味深い報告でした。
同志社が田中稲城帝国図書館長の文書を整理したように、図書館史研究もそろそろ刊行物だけには頼りがたくなってきているように思うので、井上氏の言われた「アーカイブズ・リテラシー」について意識しながら必要な情報を集め、また本ブログでも取り上げていければ、と思っています。

※1 いずれ公式な記録も出るのだと思いますが、本参加記は、図書館史関連情報の観点から井上報告の紹介を試みたものです。井上氏が提示された問題や提言の全てを網羅しきれていないと思いますが、ご容赦ください。
※2 質疑応答を一部追記しました。yuko_matsuzaki様、archivist_kyoto様ご指摘感謝です(2010/11/27)。

2010年9月12日日曜日

間宮不二雄&青年図書館員聯盟関係文献目録(仮)

事務局2号です。
昨日の報告で用いた文献目録をアップしておきます。

「間宮不二雄&青年図書館員聯盟関連の文献目録」(仮)

倉卒の間に作成したものですので、遺漏などはご意見をいただいて随時訂正していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
(WORD2007で作成しています。ご了承ください)

※一般公開に設定されていなかったようです。大変失礼しました(9/11 23:10補記)

2010年8月9日月曜日

『日本図書館情報学会誌』vol.56 no.2 (2010)の図書館史関連論文

『日本図書館情報学会誌』vol.56 no.2 (2010)に、図書館史関連の論文が掲載されていました。

利根川樹美子「大学図書館の司書職法制化運動:昭和27年(1952)−40年(1965)」 p.101-123

大学図書館における専門職制度の確立に向けた運動の経緯を、運動の勃興か収束まで、運動の中心となってきた各団体等の資料などから論じたものです。大学図書館における専門職制度が、何故現在に至るも確立されていないのか、ということについて関心を持っている向きには、「必読」と言ってよいかもしれません。刺激的な論文です。

その他にも、図書館史関連では、

川崎良孝「河合弘志著『ドイツの公共図書館思想史』京都大学図書館情報学研究会発行, 日本図書館協会発売, 2008年10月, xi, 298p.」(書評)p.124-126

もこの号に掲載されています。

2010年8月6日金曜日

田中稲城関係文献仮目録

事務局2号です。
仮ではあるのですが、田中稲城の事績に関連しそうな文献をいまわかる範囲でリスト化してみました。
必ず漏れがあると思いますので、ご指摘等いただいて充実を図っていけたら、と思っています。


  • 西村竹間「故田中稲城先生略事歴」『図書館雑誌』第21年第2号(1927年2月)
  • 河上謹一「故田中稲城君を憶ふ」『図書館雑誌』第21年第2号(1927年2月)
  • 竹林熊彦「田中稲城著作集(一)」『図書館雑誌』第36年第2号(1942年2月)pp.385-392
  • 竹林熊彦「田中稲城―人と思想」『図書館雑誌』第36年第3号(1942年3月)pp.160-183
  • 竹林熊彦「田中稲城著作集(二)」『図書館雑誌』第36年第7号(1942年7月)pp.516-521
  • 竹林熊彦「田中稲城著作集(三)」『図書館雑誌』第36年第9号(1942年9月)pp.648-656
  • 竹林熊彦「諸家の書簡を通して視たる帝国図書館―田中稲城に寄せられたる―」『図書館雑誌』第36年第10号(1942年10月)pp.713-718
  • 竹林熊彦『近世日本文庫史』(大雅堂, 1943年)
  • 『上野図書館八十年略史』(国立国会図書館支部上野図書館、1953年)
  • 石井 知子「三つの「図書館管理法」とその背景--明治の図書館運動に関連して」『図書館学会年報』第3巻第2号(1956年12月)
  • 武居権内『日本図書館学史序説』(理想社、1960年)
  • 有泉貞夫「田中稲城と帝国図書館の設立」『参考書史研究』第1号(1970年11月)
  • 石井敦『日本近代公共図書館史の研究』(日本図書館協会、1972年)
  • 国立国会図書館編『国立国会図書館三十年史』(国立国会図書館、1979年)
  • 西村正守「わが国最初の図書館学者 田中稲城」石井敦編『図書館を育てた人々』日本編Ⅰ(日本図書館協会、1983年)所収
  • 稲村徹元「新出資料による『図書館管理法』原型の考察--「学校書籍館管理一班」未定稿の成立と東京図書館」『参考書誌研究』第38号(1990年9月)
  • 石山洋「帝国図書館と田中稲城」『日本古書通信』第66巻第12号(2001年12月)
  • 井上真琴、大野愛耶、熊野絢子「公開なった田中稲城文書(同志社大学所蔵)--日本近代図書館成立期の「証言者」たる資料群」『図書館雑誌』第99年第3号(2005年3月)
  • 井上真琴、小川千代子「アーカイブ資料整理へのひとつの試み--同志社大学所蔵田中稲城文書・竹林熊彦文書の場合 (小特集 図書館におけるアーカイブズ)」『大学図書館研究』第77号(2006年8月)
  • 小川徹、奥泉和久、小黒浩司著『公共図書館 サービス・運動の歴史』 1(日本図書館協会、2006年)

2010年8月3日火曜日

日本図書館文化史研究会・研究集会

事務局2号です。

日本図書館文化史研究会が、HPに研究集会・会員総会の案内を掲載しています。

詳細はこちら

2010年9月11日(土)-12日(日)
実践女子大学本館4階442教室 (東京都日野市大坂上4-1-1)

にて開催予定だそうです。


初日は、第4回の日程と重なってしまいましたが(うっかりしていてすみません!)
『市民の図書館』40年記念シンポジウムなど、興味深い内容が並んでいます。

2010年7月30日金曜日

東京文脈の会 活動報告

この会は関西圏の図書館関係者(館種問わず)有志による図書館史の勉強会(読書会)で、2010年3月発足したものです。図書館関係者を中心に細々と活動していますが、あくまで私的な勉強会であり、報告・記載内容は参加者の個人見解にもとづくものです。各人が所属する組織はもとより、以下に掲げる東京文脈の会を除き、その他いかなる団体とも一切関係はありませんので、あらためてここに記載しておきます。

この関西文脈の会は、2009年夏に東京の図書館関係者の私的な勉強会として発足した文脈の会に呼応する形で発足いたしました。その意味で、東京と関西は姉妹団体の関係にあります。
このたび、東京文脈の会事務局の方から、活動内容のご紹介をいただきましたので、図書館史に関連する情報紹介の意味で、その内容を掲載いたします。
東京では『中小レポート』の輪読会を継続的に行っており、今回は第3章以降を扱って議論した、とのことです。

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『中小レポート』輪読会
【日時】 7月29日(木) 19:00~21:00
【報告者】 柳与志夫、小林昌樹
【参加者】 10名

「第3章 図書館資料とその整理」について
  • 「俗悪な出版物」と書いてある箇所は具体的に何か?という疑問に対し、前川氏による山手樹一郎批判があったとの指摘があり、貸本屋批判、公共図書館の貸本屋との棲み分けを指しているのではないかとの指摘があった。
  • これまでの中小レポートの読み方は内在的な読解であり、中小レポートの記述全体を当時の社会状況に置きなおしてみる必要があろう、との意見も出された。
  • 貸本屋研究については、最近ようやく『全国貸本屋新聞』の復刻が出されたが、資料が圧倒的に不足していて、一部の貸本マンガ研究を除くと、まだまだこれから検討課題が多いようである。
  • 亡失対策の部分では、物品会計法規への注目もされているが、法規の解釈の面では疑問がある、との指摘もされた。

「第4章 管理」「第5章 図書館の施設」について

  • 1冊の中で管理について4分の1も記述が当てられているのは画期的で、図書館関係者が触れない組織や法規、広報などの項目が立てられていることは、時代的制約があるとはいえ評価できるのではないか。
  • 「本好き」という職員要件に、愛書家や小説読みではなくて、「情報・知識への関心」を求めている点も評価できる。
  • 統計についても、ルーティンとしてではなく、政策の手段として位置づけられている。

その他、若々しく、全体的なことを考えようとしていることが感じられる一方、収集論についてはちょっと浅いのではないかという意見も出された。

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終了後は懇親会が開かれたそうです。

2010年7月26日月曜日

京都近代史のなかの図書館

事務局2号です。

このほど2刷が出た
丸山宏・伊從勉・高木博志編『みやこの近代』(思文閣出版、初版は2008)に
「日本初の公共図書館」として集書院のことが
また、
「京大図書館の開設」「初代図書館長 島文次郎」と題して
京大図書館や島文次郎、関西文庫協会のことが述べられています。
(いずれも廣庭基介氏の筆によるものです)

京大図書館は、木下総長の構想では一般公開を目指していたらしく
「我が国の如き東京に唯一あるのみ」で不便なので
「京都に之を開設して、我国西部の必要に応ずべし」という
廣庭氏の表現を借りれば「帝国図書館関西館」の構想だった、
と位置づけられています。

また、若手漢詩人のホープで、京都の教養層にも親しまれている
野口寧斎の弟・島文次郎が初代図書館長に着任したことは、
京都の反東京感情を和らげる効果があったという
なかなか興味深い指摘もあります。


なお、思文閣出版が発行している『鴨東通信』no.78には
本書編者の一人である伊從勉氏が
「近代古都の公文書保存と公開」という一文を寄せられています。

「文書保存の管理の能力も歴史都市の格を構成する」

とさらりと書かれていて、(個人的に)思わず唸りました。

2010年7月9日金曜日

北海道の図書館史

事務局2号です。

私自身、書店に取り寄せを頼んだばかりで、
まだ手元に届いていないのですが、こんな本が出ました。

藤島隆『貸本屋独立社とその系譜』(北海道出版企画、2010.6)


著者は、『北海道図書館史新聞資料集成』などの編著もある藤島隆氏です。
既発表原稿をリライトする形で一冊にまとめられたようですが、
貸本屋のほか、北海道の図書館、青年団と図書館の活動など
かなり具体的な資料をもとに説明されています。

非常に興味深いのは、北方文化を作る基盤として
郷土資料を集める動きなどが位置づけられている点です。
地方文化史のなかの図書館、というテーマについて
じっくり読んで考えたいと思います。



…と、思ったら、書物蔵さんのブログにて
とっくに紹介されていた文献でした。畏るべし。