これまた、旧聞に属するかもしれませんが、藤井淑禎『高度成長期に愛された本たち』(岩波書店, 2009)には、戦後の公共図書館と読書との関係を紹介・分析した箇所があります。
まず、貸本屋について論じた部分で、公共図書館との関係にも触れ、『図書館雑誌』1956年5月号における、貸本屋特集における議論を紹介しています(こんな特集もやってたんですね。バックナンバー、電子化して有償でもいいから配信してほしい…)。ちなみに図書館側は、貸本屋との共存・協力に肯定的だったとのこと。(p.111-114)
また、読書サークル(グループ)に関して論じた部分では、1950年代半ばに現れてきた、公共図書館による移動図書館/巡回文庫と自主的な読書活動の関連が紹介されています(p.121-134)。ここで引用されているのは、有山崧(山+松)「読書運動を展開しよう−民衆の図書館として」(『図書館雑誌』1956年9月号)や、蒲池正夫「読書を進める社会教育行政−そのあり方」(『社会教育』1963年4月号)などです。
2010年2月6日土曜日
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