2010年3月21日日曜日

第2回勉強会

第2回勉強会を次の日程・会場で開催予定です(会場費をまだ払ってないのですが)。会場は前回と同じところです。

第2回 図書館史勉強会@関西 関西文脈の会
日程:2010年5月8日(土) 14:00〜16:30
会場:キャンパスプラザ京都 2階 和室

第1回に引続き、

図書館を育てた人々. 日本編 1 / 石井敦. -- 日本図書館協会, 1983.6
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000001644230/jpn
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN01584842

を読んでいきます。お題は、湯浅吉郎、市島謙吉(春城)です(発表者は事務局2号にお願いしています)。

参加ご希望の方は、
toshokanshi.kansai at gmail.com (事務局:大場。「 at 」は「@」に置き換えてください。)
まで、御一報ください。また、定員10名の部屋で、ちんまりとやります。
前回、会費について事前のお知らせを忘れていていました(すみませんでした>第1回参加者各位)。原則、会場費(4,300円)を割り勘、ということでお願いします。発表者がコピー代を使った場合には、それも加えて割り勘にします。また、飲み物等はペットボトル等をご持参ください(差し入れ歓迎)。
終了後、懇親会を予定しています。


今後は隔月で勉強会を開催予定です。7月は番外編で楠田五郎太、9月には島文次郎を採り上げ(てもらえ)る予定です。日程等については、詳細が決まり次第、またこのブログでお知らせします。

2010年3月8日月曜日

田中稲城関係史料についての補足

事務局2号です。
遠路第1回勉強会にお集まりいただいた皆様、ありがとうございました。

研究会の席上できちんと補足出来なかったのですが、
田中稲城関係文書については、そもそも国立国会図書館憲政資料室にも
同志社大学のものからとったマイクロフィルム版の所蔵があります。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/kensei_shiryo/kensei/tanakainagi.html

伊藤隆・季武嘉也編『近現代日本人物史料情報事典』2(吉川弘文館、2005)には
熊野絢子・井上真琴の両氏による史料の紹介が掲載されています。
竹林熊彦による、田中研究の紹介もあります。
  • 「田中稲城:人と業績」『図書館雑誌』第36巻第3号(1942)所収
  • 「田中稲城著作集」『図書館雑誌』第36巻第6,7,9号(1942)所収
  • 『近世日本文庫史』(大雅堂、1943)

2010年3月7日日曜日

第1回勉強会(2010年3月6日)報告

図書館史勉強会@関西 関西文脈の会 第1回勉強会報告
『図書館を育てた人々 日本編I』を読む(1)田中稲城/伊東平蔵
日時:2010年3月6日(土) 14:00〜16:30
会場:キャンパスプラザ京都 2階 和室
発表者:大場利康(国立国会図書館関西館, tsysoba)
出席者(50音順):石道尚子、江上敏哲(国際日本文化研究センター, egamiday)、佐藤久美子(国立国会図書館関西館, satoqyu)、谷航、長尾宗典(国立国会図書館関西館)、吉間仁子(国立国会図書館関西館)、米井勝一郎(K_y0ne1)



冒頭、事務局でもある発表者から、勉強会開催までの経緯について次のような概略説明があった。この勉強会は、東京で国立国会図書館職員等を中心に行なわれている勉強会「文脈の会」メンバーのうち、二人が関西館に揃ったことをきっかけにしたもの。さらに「図書館員であつまって飲み会@大阪」で発表者が飲み会参加者に声をかけた結果、何人か関心を示す人がいたことで、具体化したものである。

以下、発表者から資料に従って報告が行われた。まず、何故、石井敦編『図書館を育てた人々 日本編1』(日本図書館協会, 1983)を題材として選択したのかについて説明があり、続いて、西村正守「田中稲城 我が国最初の図書館学者」について、概略の説明と、補足情報の紹介があった。
 出席者からは、田中稲城について論文を書いている有泉貞夫が、日本政治史で著名な研究者(基礎的な文献をいくつも執筆)であるといった紹介や、同志社大学が所蔵する田中稲城文書とこれを含む竹林熊彦文書について、実際に現物を見に行きたい、といった希望が出された。(終了後、Twitter上では、竹林熊彦文書と田中稲城文書については、同志社大学の貴重書デジタルアーカイブの竹林文庫として、細目の検索と一部本文画像の閲覧が可能となっていることが紹介されたので補足しておく。)

休憩を挟み、後半は竹内悊「伊東平蔵 先覚者の中の先覚者」について、概要説明と、補足情報の紹介が発表者から行われた。伊東平蔵の大橋図書館時代については、三康図書館に資料が残っている可能性があること、伊東の書簡・日記等については現在も遺族が持っている可能性が高いのではないか、といった指摘が参加者から寄せられた。また伊東の図書館に関する知識の習得については、初期の文部省勤務時代についても確認する必要があるといった指摘があった。

発表終了後は、雑談的な懇談となり、次のような話題が取り上げられた。
  • 『図書館を育てた人々 日本編1』に採り上げられている人々は、出身階層(旧藩士など)・学歴(帝大・留学経験)などから見ても、ほとんどがエリートであるが、一方で、青年図書館員聯盟のメンバーはそれとは対照的な出身・学歴であり、『図書館を…』に出てくるような人たちに対する批判者としての性格が強かったのでは。
  • 『図書館を育てた…』から、原形となった『図書館雑誌』の連載には登場した内田魯庵が落とされているというのは、内田が「図書館員」ではなかったからではないか。図書館を育てた、という意味では、出版関係者など、もっと広い領域の人が採り上げられていてもよいはずだが、図書館員中心の選択になっているようにも見える。
  • 『図書館雑誌』の索引は、「図書館雑誌総索引」よりも、学術文献普及協会の復刻版の索引の方が、詳細で信頼性が高い。
  • ナショナリズムと図書館の結びつきについては、戦後、語られにくい時代が続いていたが、実際には、戦前に図書館に積極的に関わった人々の多くは、国民国家の確立を目指したナショナリストだったのではないか。博物館とナショナリズム、アーカイブズとナショナリズムという論点は比較的頻繁に言及されるが、図書館についても同様の視点が必要ではないか。
終了後は、懇親会が行なわれた。
(文責・大場)

発表資料(pptxファイル, 239KB)(背景なしpdfファイル, 200KB)

2010年3月4日木曜日

早稲田大学初代図書館長・市島春城展

初投稿の事務局2号です。

初投稿が関西地域の話題でなくて恐縮ですが、偶々見つけたのでお知らせします。
東京方面に行かれるご予定の方、ちょっと足を運ばれてはいかがでしょうか。

早稲田大学図書館が、初代館長・春城市島謙吉の生誕150年を記念し、
その生涯を様々な資料によってたどる記念展を開催するそうです。

生誕150年記念:市島春城展【3/5~4/21】
期間 : 2010年03月05日(金)~2010年04月21日(水)
時間 : (展示室)10:00~18:00 (記念室)10:00~17:00(土:~14:00)
記念室は会議等で利用する場合、閉室いたします。
問合先 : 早稲田大学図書館 tel:03-3203-5581

http://www.wul.waseda.ac.jp/news/news_detail.html?news_no=130


同大学図書館のホームページから引用すると、

「島は自らの目と足で資料収集に尽力し、就任時に3万冊ほどだった蔵書を5年目には10万冊の大台に乗せました。稀覯本の収集にもその才を発揮、現在、国宝や重要文化財に指定されている資料をはじめ、さまざまな貴重な資料が館蔵となったのも市島館長時代のことです。しかし、そうした資料も所蔵しているだけでは無いものと同じ、死蔵である、と考えた市島は、資料の積極的な公開を目指し、さまざまな取組みを進めましたが、その姿勢は現在の図書館にも通じるところがあります。」

とあるので、図書館史についても何か示唆があるかもしれません。

ちなみに、石井敦編『図書館を育てた人々 日本編1』では、
「『図書館雑誌』の育ての親」として市島を追想する記事が載せられています。